腎臓内科

慢性腎臓病(CKD)を中心に、予防と健診時の尿異常から透析・移植医療に至るまで幅広く診療しています。また原因疾患別には、糖尿病性腎症、慢性腎炎・ネフローゼ症候群、高血圧性腎硬化症、ループス腎炎などの主要疾患を対象に、院内の関連科や関連病院と連携して腎臓専門の立場から地域医療に貢献しています。

診療体制・治療方針

外来診療は月曜から金曜の午前中に専門外来を担当しています。入院診療は、経験を積んだ医師が指導医になって研修医とともに診療に当たり、毎週臨床カンファレンスや教授回診をして、的確な診断と治療を心がけています。終末期の腎不全には血液浄化療法部で、透析の開始から外来通院透析まで対応しています。

得意とする分野

健診時の検尿異常については、1週間入院で腎生検を行い、早期の的確な診断に基づく治療を行っています。
糖尿病性腎症については、食事療法、血糖と血圧のコントロールなどの糖尿病治療や高脂血症治療とともにSGLT-2阻害薬、MR拮抗薬、アンジオテンシンⅡ抑制性降圧薬の投与を積極的に行っています。腎不全では早期から尿毒素吸着薬を併用し、また腎性貧血ではエリスロポエチン製剤やHIF-PH阻害薬を透析導入前から投与し、進行阻止とQOL改善を目指しています。透析医療では各種アフェレシス治療も行っています。

高度医療

IgA腎症では、腎生検で比較的予後不良あるいは予後不良と診断された場合、ステロイドパルス療法を行っています。病状により扁桃腺摘出を行うこともあります。
難治性ネフローゼ症候群やANCA関連血管炎に対してはリツキシマブを用いた積極的治療を行っています。
糖尿病性腎症については、専門各科の医師、管理栄養士、看護師と共同して集学的医療を行っています。アンジオテンシンⅡ抑制性降圧薬の投与を基本にして、高血圧、高脂血症、貧血および浮腫などを改善させることで進行阻止治療を行っています。
血液浄化療法部では、15床の透析ベッドを設置して、内6床には重症者への対応が可能な血液ろ過透析(HDF)機器を配備しています。透析情報はコンピューター管理されており、確実、安全な透析を実施しています。腹膜透析(CAPD)の導入も積極的に行っています。
腎移植は、泌尿器科医と連携し実施しています。県内唯一の献腎(死体腎)移植の可能施設となっており、先行的腎移植、ABO不適合移植、HLA抗体陽性移植や、急性拒絶、慢性拒絶の管理も行っています。
多発性のう胞腎やファブリー病などの遺伝性腎疾患に対しても積極的に、治療を行っています。

症状・対象疾患

腎臓内科診療の対象となる症状は、浮腫、血尿、蛋白尿、高血圧が代表的です。糸球体腎炎やネフローゼ症候群は一次性の腎臓病で、当科で扱う病気です。腎機能低下例の手術前後の相談を受けることも多々あります。また、多くの内科疾患、例えば、糖尿病、高血圧、心不全、膠原病などに合併する腎臓病診療を行っています。慢性腎不全については、透析導入前や、通院透析患者の管理はもとより、腎臓移植者の管理も行っています。血液浄化療法部では急性腎不全の治療も受け入れています。

主な検査と説明

1日0.5グラム以上の持続性蛋白尿や慢性腎炎およびネフローゼ症候群の診断と治療方針の決定には、腎生検が基本的かつ必須の検査です。当科では、年間に約50例の腎生検の診断をしています。福井県では最も多い検査数です。この検査は、超音波で腎臓の位置を確認しながら、局所麻酔下で30分程度で終わります。検査のみなら1週間の入院です。

年別透析導入患者の主要原疾患の推移
(日本透析医学会統計より)

科長・スタッフ紹介

科長・教授
遠山 直志
専門領域
糟野 健司
副科長・准教授
糟野 健司
専門領域
腎臓内科学・腎不全・臨床検査医学・腎移植
助教(診療准教授)・外来医長 高橋 直生 腎臓内科学・腎不全・臨床検査医学
助教・病棟医長 小林 麻美子 腎臓内科学・腎不全
特命助教 西川 雄大 腎臓内科学・腎不全
特命助教 西森 一久 腎臓内科学・腎不全
医員 西川 翔
医員 渡邉 佑衣

学会等認定制度による施設認定

学会等名 事項
日本腎臓学会 専門医制度研修施設
日本透析医学会 専門医制度認定施設

外来診察予定

月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
午前 【初診・再診】
髙橋 直生
〔腎臓〕
〔透析〕

西川 翔
〔ADPKD外来〕
〔腎臓〕
〔透析〕
【初診・再診】
西森 一久
〔腎臓〕
〔透析〕

【再診】
糟野 健司
〔腎移植〕
〔腎移植後外来〕

【初診・再診】
遠山 直志
〔腎臓〕
〔透析〕

【再診】
西川 雄大
〔CAPD外来〕
【初診・再診】
遠山 直志
〔腎臓〕
〔透析〕

【再診】
小林 麻美子

【初診・再診】
木村 秀樹
小林 麻美子
〔腎臓〕
〔透析〕
午後

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