呼吸サポートチームメンバーの1日に密着!

南3階看護師長、集中ケア認定看護師
桑原 勇治さん

認定看護師 桑原 勇治さん

呼吸サポートチーム(RST)は医師、看護師をはじめ呼吸療法に関係するさまざまな職種の職員がメンバーとなり、それぞれの専門知識を活かして医療安全と呼吸器ケアのレベルアップを図るチームです。福井大学医学部附属病院では平成24年8月に発足しました。看護師の立場から活動のけん引役を担っているRSTメンバーの1日に密着しました。

くわばら・ゆうじ
昭和41年、福井県福井市出身。美容師を経て、平成10年3月、福井県立大学看護短期大学部卒業。同年4月、福井医科大学医学部附属病院(現福井大学医学部附属病院)に勤務。平成12年4月より集中治療部に配属。平成22年6月、集中ケア認定看護師取得。福井大学大学院医学系研究科附属看護キャリアアップセンター慢性呼吸器疾患認定看護師教育課程専任教員を兼務。

8:30~8:50 集中治療部・カンファレンス室

集中治療部朝礼
集中治療室にどんな患者さんがどんな状態で入室しているかなどの申し送りが行われます。私自身は現在、RST業務にほぼ専念しており、集中治療室の業務にはあまりかかわっていませんが、副看護師長として部内の情報は把握しておく必要があります。

8:55~11:00 集中治療部・カンファレンス室

巡回写真新患確認、カルテ確認など
月曜日はまず、週末に新たに人工呼吸器を装着した患者さんが入院していないか確認します。既存の入院患者さんの最新情報も電子カルテでチェックします。
気になる患者さんがいれば、ベッドサイドまで足を運び、カルテでは情報を得られなかった呼吸音や痰(たん)の状態、血圧、脈拍などを確認し、当日の巡回予定を組み立てます。
院内感染予防に配慮して、感染症のある患者さんは後に回るようにしています。

11:00~12:00 一般病棟

集中治療室での処置写真患者観察
週末に人工呼吸器を装着した新患の方と、呼吸機能の改善ペースが遅い1週間前からの患者さんの様子を見に行きました。
いずれも人工呼吸器の管理はきちんと行われていましたが、旧患の方の頭位が15度程度しか上がっていなかったので、担当看護師に30度以上に上げるようにアドバイスしました。角度を自動設定できないベッドの場合、看護師が勘で角度を調整しますが、低めになってしまうケースが多いのです。
酸素マスクによる酸素療法を受けている患者さんも同じ病棟に入院していましたので、ついでに管理状態を確認しました。酸素療法は人工呼吸器を装着するほどではないけれど、呼吸がつらい患者さんや、全身麻酔手術直後の患者さんなどに適用します。
酸素流量や濃度を適切に設定しないと、むしろデメリットになりますので、患者さんの観察や看護師への助言を行うようにしています。

12:00~13:00 集中治療部・休憩室

昼食
昼食はほぼ毎日、院内の売店で買った弁当です。大概、集中治療部の同僚たちと歓談しながら食べています。

13:00~14:00 集中治療部・カンファレンス室

情報収集の様子写真病棟ラウンド前の情報収集
午後も基本的には午前中の業務の続きを行いますが、今日は午後2時30分から予定されているRSTの病棟ラウンドに備え、回診対象患者さんの情報を集中的に集めました。

14:00~14:30 集中治療部・カンファレンス室

RSTミニカンファレンス
RSTのコアメンバーが集中治療室カンファレンス室に集まり、病棟ラウンド前のミニカンファレンスを行いました。新しい患者さんの情報や、既存患者さんの最新情報の概略を私から報告し、メンバーに予備知識を持ってもらうようにしています。

14:30~16:30 RST病棟ラウンド

RST病棟ラウンドの様子写真一般病棟
毎週月曜日に実施しているRSTの病棟ラウンドです。今回の対象患者さんは新患1人を含め6人でした。
コアメンバーがベッドサイドに赴き、主治医と担当看護師も立ち会います。RSTのメンバーが患者さんの状態や人工呼吸器の状態を観察し、それぞれの立場から見解と対応策をその場で主治医と担当看護師に伝えます。
「左の肺の状態が悪い患者さんなので、右を下にする体位の時間を少し長めにした方がよいと思います」「痰の状態が少し粘っこいようですので、去痰薬を処方してもらったらどうでしょうか」「呼吸器の回路を痰が出やすいように変えてみませんか」
そんな具合に個々の患者さんについて提案や助言をしていくのですが、それを実践するかどうかは主治医や担当看護師の判断になります。RSTはあくまでもサポートチームであるというのが原則になっているからです。
病棟によっては私たちを含め十数人が集まることもあります。病室に入りきれない場合は廊下で話すことになります。今日は比較的スムーズにラウンドが進行しました。

16:30~17:30 集中治療部・カンファレンス室

織田さんと看護計画の打ち合わせの様子写真カルテ記入など
電子カルテには「RSTラウンド記録」ページが設けられており、RSTのメンバーがそれぞれ担当欄に結果を記入します。ラウンド中に記入するのが基本ですが、コメントなどはラウンド結果を踏まえて、私と織田さんとで相談しながら打ち込んでいきます。新しい患者さんについては次のように記入しました。
「日中はなるべくギャッチアップをおすすめします。今日は初回なので30分程度でしたが、これからは1時間程度に増やしてみてください。ただし、患者さんの疲労状況を見ながら進めていってください。ギャッチアップに慣れてきたら、端座位(たんざい)も可能になってくると思います」

17:30~19:00 集中治療部・カンファレンス室

人工呼吸器装着患者見守りシステム写真日常サポートの打ち合わせ
火曜日から金曜日までは織田さんと2人でサポートしていますので、ラウンド結果が書き込まれたカルテに基づいて、どう対応すべきかを打ち合わせます。
特に注意が必要な患者さんの場合は、待ち合わせて一緒にベッドサイドに行くこともあります。
今日は院内向けに計画している人工呼吸器の勉強会についても検討しました。織田さんは講師を務めてくれるなど、とても頼りになる相棒です。
午後7時ごろに帰宅しましたが、新患の方は「人工呼吸器装着患者見守りシステム」を使って、呼吸器の作動状況や換気量を自宅でチェックしました。
当院が開発したこのシステムは9月から運用を始めており、どこでもリアルタイムに稼働中の人工呼吸器情報が得られます。夜間や出張時も情報入手が可能なので、急変にも迅速に対応できます。