キーワード
- 3Dシミュレーション
- AD/HD
- ALK
- APD
- CAD/CAM(Computer-aided Design and Computer-aided Manufacturing)
- CAPD
- CART療法(腹水濾過濃縮再静注法)
- CT
- C型肝炎ウイルス
- DATスキャン
- DBS
- EGFR遺伝子
- ePTFE
- FDG
- GBR(Guided Bone Regeneration)法
- HLA抗体陽性腎移植
- IgA腎症
- IHDF
- IVR
- JAK阻害剤
- LDL
- MIBG心筋シンチグラフィー
- MRA
- MRI
- PD-1
- PD-L1
- PET
- PET/MRI
- Stanford B型大動脈解離
- tPA治療
- TVM手術
- VANS
- XLIF/OLIF
- アナフィラキシー
- アフェレシス
- アルツハイマー病
- アルドステロン
- アルドステロン症
- イブリツモマブ
- インスリン
- インプラント
- うつ病
- エキシマライト
- エキスパンダー
- エコー〈超音波診断装置〉
- エリスロポエチン
- オープンステントグラフト法
- オキシトシン
- オフポンプバイパス術
- オンラインHDF/IHDF
- かかりつけ
- カテーテル
- カテーテルアブレーション
- カテーテル治療
- カプセル内視鏡
- がん薬物療法専門医
- くも膜下出血
- クロザピン
- ケロイド
- コレステロール
- コンピュータシミュレーション
- サイトカイン
- サイマトロンR
- シェーグレン症候群
- ジカウイルス感染症(ジカ熱)
- シクロスポリン
- シャントトラブル
- ステロイドパルス療法
- ステントグラフト内挿術
- ソーシャルスキル・トレーニング(SST)
- ソケットリフト
- ダーモスコピー
- ダヴィンチ
- ダニ媒介感染症
- タバコ
- タンデムマス法
- ドーパミン
- トラウマに特化した認知行動療法(TF-CBT)
- トラベクレクトミー
- トリグリセリド
- ナルコレプシー
- ナローバンドUVB
- ニボルマブ
- ニンテダニブ
- ネフローゼ
- パーキンソン病
- バイパス手術
- ハイブリッド治療
- ハイブリッド療法
- ハイリスク妊娠
- バルーン内視鏡
- パルス波治療器
- バルベルト緑内障インプラント
- ビタミンD
- ヒトパピローマウイルス(HPV)
- ピンポイント照射(定位的放射線治療)
- ファブリー病
- ベーチェット病
- ペアレント・トレーニング
- ヘリコバクター・ピロリ菌(ピロリ菌)
- ボツリヌス毒素
- ポリソムノグラフィー
- ボルテゾミブ
- ホルモン
- ホルモン療法
- もやもや病
- ラジオ波焼灼療法(RFA)
- リウマチ性疾患
- リケッチア
- リツキシマブ
- リハビリテーション
- レチノイド
- レナリドミド
- レニン
- レビー小体型認知症
- レボドパ
- レム睡眠行動障害
- ロボット手術
- 一次再建
- 三叉神経痛
- 上顎洞底挙上術
- 下垂体腺腫
- 下肢閉塞性動脈硬化症
- 下肢静脈瘤手術(レーザー治療)
- 不妊
- 不妊症
- 不整脈
- 不整脈(メイズ)手術
- 不注意
- 不眠症
- 不育症
- 不適切な養育(虐待や育児放棄)
- 不顕性感染
- 両室ペーシング
- 中性脂肪
- 乳がん5年生存率
- 乳がんの治療
- 乳房の手術
- 乳房再建
- 乳房外Paget病
- 乾癬
- 二次再建
- 人工歯根
- 人工真皮
- 人工股関節置換術
- 人工骨補填材
- 仙骨神経刺激療法
- 低侵襲手術
- 体外受精
- 保存期腎不全患者
- 保険での歯科インプラント治療
- 僧帽弁閉鎖不全症
- 先天性代謝異常症
- 先天性眼瞼下垂症
- 先天性股関節脱臼
- 先行的腎移植
- 先進医療
- 光線療法
- 免疫チェックポイント阻害薬
- 免疫療法
- 全身性ループスエリテマトーデス
- 全身性強皮症
- 全身管理
- 全身麻酔
- 内視鏡
- 内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)
- 内視鏡的粘膜切除術(EMR)
- 再建
- 冠動脈
- 冠動脈バイパス術
- 冠動脈形成術
- 冷凍凝固アブレーション
- 分子標的治療薬
- 切除不能膵がん
- 前立腺がん
- 前頭側頭葉型認知症
- 創傷治癒
- 動脈硬化
- 化学療法
- 医療情報伝送システム
- 十二指腸がん
- 反応性アタッチメント障害
- 吸入治療
- 周期性四肢運動障害
- 周術期外来
- 呼吸のリハビリテーション
- 咀嚼
- 喫煙
- 圧迫骨折
- 坐骨神経痛
- 基底細胞がん
- 変形性股関節症
- 多動性・衝動性
- 多焦点眼内レンズ
- 多発性骨髄腫
- 夜間無呼吸
- 大腸がん
- 大腸がん腹膜播種
- 大腿骨頭回転骨切り術
- 妊娠
- 子宮脱
- 子宮頸がん
- 小児アレルギーエデュケーター(PAE)
- 小児がん
- 小頭症
- 尿失禁
- 局所陰圧閉鎖療法
- 局所麻酔
- 巣状糸球体硬化症
- 巨人症
- 帯状疱疹後神経痛
- 常染色体優性多発性嚢胞腎
- 広汎子宮頸部摘出術
- 広背筋皮弁法
- 弁形成術
- 弓部大動脈瘤
- 強度変調放射線治療(IMRT)
- 形成手術
- 微小変化型
- 心室期外収縮
- 心室細動
- 心室頻拍
- 心房細動
- 心筋梗塞
- 心電図
- 急性リンパ性白血病
- 急性心筋梗塞
- 急性腎障害
- 急性骨髄性白血病
- 悪性リンパ腫
- 悪性軟部腫瘍
- 悪性骨腫瘍
- 悪性黒色腫
- 愛着障害
- 慢性リンパ性白血病
- 慢性腎臓病
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
- 慢性骨髄性白血病
- 扁桃腺摘出療法
- 手術療法
- 抗うつ薬
- 抗リウマチ薬(DMARD)
- 抗精神病薬
- 抗線維化薬
- 抗腫瘍薬(抗がん剤)
- 拡散強調画像
- 放射線治療
- 新生児マススクリーニング
- 日本小児がん研究グループ
- 日本臓器移植ネットワーク
- 月経停止
- 有棘細胞がん
- 東洋医学
- 歯科インプラント
- 気管支サーモプラスティ
- 気管支ぜんそく
- 気胸
- 治療抵抗性統合失調症
- 治験
- 流産
- 混合性結合組織病
- 滑膜
- 漢方薬の副作用による高血圧
- 無けいれん性通電療法
- 特発性大腿骨頭壊死症
- 特発性肺線維症
- 献腎(死体腎)移植
- 生物学的製剤
- 甲状腺
- 甲状腺腫瘍
- 画像誘導放射線治療(IGRT)
- 瘢痕
- 白内障
- 白血病
- 皮膚筋炎
- 直腸括約筋間切除術(ISR)
- 相談相手
- 真珠腫性中耳炎
- 眼圧
- 眼球運動による脱感作と再処理法(EMDR)
- 眼瞼下垂症
- 眼鏡
- 睡眠時無呼吸症候群
- 神経ブロック療法
- 神経変調療法
- 神経症
- 神経障害性疼痛
- 禁煙外来
- 穿孔性中耳炎
- 糖尿病
- 糖尿病性腎症
- 紫斑病性腎炎(IgA血管炎)
- 経口免疫療法
- 経皮的椎体形成術
- 経蝶形骨洞的腫瘍摘出術
- 統合失調症
- 網膜症
- 総合診療
- 総胆管結石
- 緑内障
- 縦隔リンパ節転移
- 老視
- 耳漏
- 耳鳴
- 肛門温存手術
- 肝がん(肝細胞がん)
- 肥厚性瘢痕
- 肩こり
- 肺がん
- 肺気腫
- 胃がん
- 胆嚢がん
- 胆石胆嚢炎
- 胆管がん
- 胸腔内温熱灌流化学療法
- 胸腔鏡下手術
- 脂質異常症(高脂血症)
- 脊椎外傷
- 脱抑制型対人交流障害
- 脳内出血
- 脳梗塞
- 脳深部刺激療法
- 腋窩リンパ節の手術
- 腎がん
- 腎代替療法
- 腎動脈狭窄症
- 腎温存手術
- 腎生検
- 腎症
- 腎移植
- 腎臓移植
- 腕の麻痺
- 腰椎すべり症
- 腰痛症
- 腹水
- 腹直筋皮弁法
- 腹腔内温熱化学療法(HIPEC)
- 腹腔鏡下胆嚢摘出術
- 腹腔鏡下膣仙骨固定術(LSC)
- 腹腔鏡手術
- 腹膜透析
- 膀胱脱
- 膜性腎症
- 膵がん
- 膵頭十二指腸切除
- 臨床遺伝専門医
- 自家組織
- 自家骨移植
- 自閉スペクトラム症
- 臼蓋形成不全
- 良性軟部腫瘍
- 良性骨腫瘍
- 薬物療法
- 血圧ホルモン
- 血栓除去療法
- 血液型ABO不適合移植
- 血液透析
- 血管内治療
- 血管性認知症
- 血管炎
- 術前外来
- 視力低下
- 視力回復
- 視神経
- 視野
- 視障害
- 親族優先提供
- 言葉の障害
- 認知症
- 超音波内視鏡下吸引穿刺法(EUS-FNA)
- 身長異常
- 軟部肉腫
- 転移性骨腫瘍
- 透析腎がん
- 造血幹細胞移植
- 遊離空腸移植
- 遊離組織移植
- 過活動膀胱
- 過眠症
- 遠位弓部大動脈瘤
- 遺伝
- 遺伝カウンセリング
- 遺伝子
- 遺伝性乳がん・卵巣がん
- 重症心不全
- 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
- 間質性肺炎
- 関節の腫れと痛み
- 除細動機能
- 除菌治療
- 難聴
- 電気水圧衝撃波
- 非定型抗精神病薬
- 頭痛
- 頭頸部がん
- 頭頸部腫瘍
- 頸椎椎弓形成術
- 額の横しわ
- 顎関節症
- 顔の麻痺
- 食物アレルギー
- 食物経口負荷試験
- 食道がん
- 骨・軟部腫瘍
- 骨ミネラル代謝異常
- 骨肉腫
- 骨造成
- 骨髄異形成症候群
- 麻酔
- 黄疸
認知症スペシャリストによる先端診療
脳神経内科 濱野 忠則 科長・准教授
認知症とは
超高齢社会を迎え、福井県の高齢化率は30.1%(2018年8月1日現在)にまで達しました(図1)。それに伴い認知症患者数は増加の一途をたどり、県内でも3万人を超えるものと予測されます。認知症とは、単に年のせいで忘れっぽくなっただけではなく、物忘れのために日常生活や社会生活に支障をきたす状態を指します。最新の診断基準(DSM-V)では、薬の管理ができなくなることも認知症の重要な症状の1つに加えられました。

図1 福井県の高齢化率の推移(各年10月1日現在)
認知症の種類
一言で認知症といっても「アルツハイマー病」だけではなく、レビー小体型認知症、血管性認知症、そして前頭側頭葉変性症など原因疾患は多岐にわたります(図2)。アルツハイマー病は初期から物忘れが主体となり、日付が分からない、今かかってきた電話の内容が思い出せない、置き忘れが多くなるなどの症状が現れます。レビー小体型認知症では、亡くなったご主人が現れる、トイレでお孫さんの顔だけ見えるなどのはっきりとした幻視がみられます。血管性認知症は脳梗塞(のうこうそく)、脳出血に伴う認知症で、感情失禁(怒りっぽい)、手足の麻痺(まひ)、意欲低下などがみられます。前頭側頭葉変性症では、意欲がなくなる、怒りっぽくなる、万引きなどの行動異常、言葉が出なくなる症状(失語症)がみられますが、初期には物忘れははっきりしません。運転中に一旦停止無視、信号無視などを起こし、大事故につながる場合もあります。

図2 もの忘れ外来患者さんの内訳(1237例中)
MCI:軽度認知障害 B12:ビタミンB12欠乏症 iNPH:正常圧水頭症
専門医による認知症の確実な診断――アミロイドPET検査も行います
当院は認知症学会教育指定病院に認定されており、脳神経内科、精神科、脳脊髄(のうせきずい)神経外科の協力のもと鑑別診断、治療を積極的に行っています。
まずは病歴を詳細に聴取します。できればご家族とともに受診いただき、家庭での状況もお聞きしています。怒りっぽくなった、物盗られ妄想、徘徊などの情報は本人から聴取することは困難です。その後、神経学的診察、専門職員による詳細な心理検査を行います。さらに、血液検査、脳MRI、SPECT検査を用い、神経内科専門医、認知症学会専門医がきちんと鑑別診断を行います。アミロイドPET検査を行うことも可能です(高エネルギー医学研究センターと協力、写真)。アミロイドPET検査を行うことのできる施設は国内でもまだ限られています。この検査により、ごく初期のアルツハイマー病の診断も可能となります。

写真 SPECT検査、アミロイドPET検査
治療薬の種類・特徴と先端的治験
アルツハイマー病の場合、治療薬は、大きく分けて2種類に分類されます。まず海馬の神経伝達物質であるアセチルコリンを増やす薬です。ドネペジル、ガランタミン、そしてリバスチグミン(貼り薬)という薬剤があります。そのほか、グルタミン酸の神経伝達や 神経細胞死を抑え、病気の進行を遅くするメマンチンという薬があります。レビー小体型認知症ではドネペジル、抑肝散(よくかんさん)という漢方薬が使われます。
アセチルコリンを増やす薬では、記憶が多少改善し、元気が出ることが多いです。また、メマンチンでは、進行を遅らせる効果、気持ちを落ち着ける効果を実感できます。抑肝散でも気持ちを落ち着ける効果がみられます。
そのほか早期アルツハイマー病に対する治験(アミロイドの産生を抑える薬)や、血液検査によるアルツハイマー病の早期診断に関する臨床研究も全国に先駆けて行っています。
認知症の生活指導、公的サービスの利用について
当科では、認知症看護認定看護師やメディカル・ソーシャル・ワーカー(MSW)による日常生活指導や、デイサービス、訪問看護などの公的サービスについてのきめ細かい指導を行います。初期の認知症、または認知症までいかない軽度の物忘れ(MCI:軽度認知障害)の場合は、生活指導が重要です。新聞を読む、日記をつける、運動をする(1日3000~5000歩の散歩)、そして五目ならべ、花札、オセロゲームなどのゲームをお勧めしています。ボランティア活動も進行予防効果があると思われます。徘徊、物盗られ妄想に対する対応法についても相談を受けています。
家族の介護負担が大きくなる若年性認知症については、福井県若年性認知症相談窓口と協力し、適切な対応を行っています。
【症例数または診療実績等】認知症患者数 過去1年間(アルツハイマー病626例、レビー小体型認知症50例、前頭側頭葉変性症37例)
【問い合わせ先】もの忘れ外来は毎週月曜、あるいは第2、第4木曜午後
*脳神経内科外来 TEL 0776-61-3111(内線3230)
*教室ホームページ
https://www.med.u-fukui.ac.jp/laboratory/second-internal/