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最新・最高の大腸がん治療と小腸疾患への取り組み
消化器内科 / 消化器外科 (消化器内科)平松 活志 准教授 中本 安成 科長・教授 (消化器外科)森川 充洋 助教 五井 孝憲 科長・教授
早期大腸がんに対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)
大腸がんは早期の段階で発見できれば、体に負担の少ない内視鏡的(ないしきょうてき)治療で根治することができます。2cm以下の早期大腸がんは、一般的にポリペクトミーあるいは内視鏡的粘膜切除術(ないしきょうてきねんまくせつじょじゅつ)(EMR)という方法でがんを摘除します。一方、2cm以上の早期大腸がんは従来、外科手術が必要となることが多かったのですが、新しい内視鏡的治療法である内視鏡的粘膜下層剥離術(ないしきょうてきねんまくかそうはくりじゅつ)(ESD)が2012年4月から保険適用され、2cm以上の病変であっても根治的に治療することが可能となりました(写真)。この治療では、病変の直下に新しく開発された粘膜下注入剤(ヒアルロン酸ナトリウム)を注入し、十分に膨隆した病変直下の粘膜下層を高周波ナイフで切開・剥離していきます。治療時間は病変の大きさによりますが、1時間~1時間半程度で、入院期間は約1週間です。消化器内科では、他院からの紹介患者さんを中心に年間50~60例の大腸ESDを行っており、北陸3県でも随一の治療実績を誇ります。
最新・最高の大腸がん外科治療について
大腸がんの外科治療は近年、急速な進歩を遂げており、治癒を目指して、低侵襲化(ていしんしゅうか)手術(腹腔鏡下手術)から高度拡大手術までさまざまな治療を行っています。多数の遠隔転移を認め治癒が難しい大腸がんにおいても、化学療法を先行して行うことで、手術が可能となるタイミングを逸することがないよう留意しています。化学療法の治療内容も複雑化していますが、精通した医師が患者さんに合った治療を実施するようにしています。また高齢者の大腸がんが増えており、通常の化学療法が難しい場合、患者さん本人の希望も十分に配慮し、治療法の選択を共に考えるようにしています。
このように、さまざまな取り組みによって、消化器外科における大腸がん術後の予後は、「大腸癌治療ガイドライン」に記載されている全国平均と比較して優れた成績を得ています(図1)。また肝転移や肺転移に対する手術、新規抗がん剤の導入を積極的に行い、患者さんが長く良い時間を過ごせるように努めています。次に当院消化器外科の治療の特色をあげます。

図1 大腸がん症例の進行度別生存曲線
患者さんにやさしい腹腔鏡下手術について
以前はすべての大腸がん手術が開腹手術(10cm以上の大きな創(きず))で行われていましたが、2000年初旬から早期がんを対象に腹腔鏡手術(ふくくうきょうしゅじゅつ)が導入されるようになりました。この手術は、4~5cmの小開腹と5~10mmの小さな4か所の傷からカメラ、鉗子(かんし)などを用いて行う方法で、術後の痛みが軽いため社会復帰が早く、患者さんの体に負担をかけないやさしい手術です。消化器外科では500例を超える大腸がんを腹腔鏡手術で行っており、近年では技術の進歩により、進行がんを含めた全大腸がん症例の70%以上を腹腔鏡手術で行っています。さらに下部直腸がんに対する究極の肛門温存手術や腹会陰式直腸切断術においても適応を拡大し、良好な成績が得られています。2018年4月より、保険収載されたロボット支援下直腸切除術も開始しました。
人工肛門を回避する直腸がん手術
現在も多くの施設において、肛門に近い下部直腸がんに対して肛門も切除する腹会陰式直腸切断術が行われています。その場合は人工肛門を造設する必要があり、生活の質の低下は免れられません。当院の消化器外科では、肛門を締める筋肉の切除により、根治度を低下させずに人工肛門を回避できる手術を行っています(図2)。この手術は高度の手術技術や知識を必要としますが、当科スタッフは十分な技量、経験を持っていますので、安心して手術を受けていただけます。
腹膜播種症例に対する最新治療法
大腸がんの転移の1つとして腹膜転移があります。腹膜転移以外の遠隔転移(肺・肝臓)は切除や化学療法が奏功し長期生存が得られる場合が多くみられますが、腹膜転移は切除や化学療法の効果は少なく、確立された治療法はない状態です。当院消化器外科で行っている腹腔内温熱化学療法(HIPEC)は、腹膜播種(ふくまくはしゅ)が散在する腹腔内を熱に感受性のある抗がん剤を43℃に加温し、撹拌(かくはん)することによりがん細胞を死滅させる治療法です。1990年からHIPECを継続して施行しており、治療の効果、安全性を確立し、良好な成績を得ています。大腸がん腹膜播種の一般的な予後は、腹腔内全域に広がった症例では、生存期間中央値は約6か月とされていますが、当院の成績は約20か月と優れた成績が得られています(図3)。現在では県外施設からHIPECを希望され、当科を受診される患者さんも多数います。

図3 大腸がん腹膜播種に対してHIPECを施行した症例の生存曲線
「暗黒の臓器」といわれる小腸をカプセル内視鏡とバルーン内視鏡でみる
小腸は、胃と大腸の間にあり、長さは6~7mもあります。長く曲がりくねっているため内視鏡による検査が難しく、「暗黒の臓器」といわれてきました。しかし最近になり、カプセル内視鏡とバルーン内視鏡が登場し、状況が一変しました。カプセル内視鏡はこれまでの内視鏡検査のイメージを覆す、非常に簡単な検査です。デジタルカメラとバッテリー(電池)を1つにした2.5cmほどのカプセル内視鏡を口から飲みこむと、1秒間に2コマの速度で小腸内の画像を約10時間にわたって撮影します。カプセル内視鏡により発見された小腸の病変は、バルーン内視鏡によって精査・治療します。バルーン内視鏡は先端に取り付けられた風船(バルーン)を膨らませることによって、内視鏡を小腸の奥へ奥へと挿入することを可能にした特殊な内視鏡です。当院では原因不明の貧血、消化管出血、あるいは小腸腫瘍(しゅよう)の精査・治療を目的として、カプセル内視鏡・バルーン内視鏡検査を積極的に行っています。