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手術支援ロボットで行う低侵襲手術
泌尿器科 伊藤 秀明 副科長・准教授 横山 修 科長・教授
患者さんにやさしい低侵襲手術
体に負担の少ない、患者さんにやさしい手術が低侵襲手術(ていしんしゅうしゅじゅつ)です。皮膚の切る範囲を減らし、出血を少なく、手術時間を短くすることで実現します。その中心が腹腔鏡(ふくくうきょう)手術です。腹腔鏡手術は体に数か所の小さな穴をあけ、お腹(なか)に内視鏡を挿入して行います。当科では、腹腔鏡手術の技術認定医を中心に、年間100件を超える腹腔鏡手術を施行しています。
ロボット手術
ロボット手術は腹腔鏡手術をより安全に、容易に行うために開発されました。ロボットが自動的に手術を行うわけではなく、操作するのはロボット手術に関する認定を受けた医師です。手術支援ロボット「ダヴィンチ」は内視鏡カメラやメスなどを装着したアームを医師がモニターを見ながら操作する機械です(写真1)。アームは人間より精細で自由に動き、手ぶれもないために難易度の高い手術も可能となります。
ロボットが支援する前立腺がん手術
前立腺(ぜんりつせん)がんは2015年には日本人男性で、新たに診断される患者数が最も多いがんとなりました。ロボット手術は国内では前立腺がんに対する保険診療が、ほかのがんに先駆けて2012年に認められました。当院では、2013年にダヴィンチを福井県内で初めて導入しました。
前立腺がんの手術は前立腺を全て摘出します。腹腔鏡手術は開腹手術に比べて出血量が少なく、狭い骨盤内にある前立腺を取り残す危険が減る一方、高い技術が求められます。当然のことですが、前立腺がんの手術治療は「正確に摘出すること」が大切です。ロボットの鮮明な3次元の映像(写真2)や、細かく正確な動き(写真3)によって正確な摘出が可能になります。
ロボット手術のメリット
ロボットが最も威力を発揮するのが縫う操作です。前立腺を摘出した後、膀胱(ぼうこう)と尿道を縫いつなぐのは難易度の高い手技ですが、ロボットを使うと複雑な操作が可能になるため、丁寧で正確に縫合することができます。
ロボットの細かな操作により、前立腺のすぐ下にある尿漏れを防ぐ筋肉「尿道括約筋(かつやくきん)」の損傷も少なくできます。これにより尿漏れの頻度(ひんど)や回復期間の短縮ができます。前立腺のそばにある勃起神経も一般的には一緒に取りますが、術後の勃起機能温存のために、可能な患者さんには神経を温存する術式があります。温存する場合は正確なロボット操作が有効となります。
ここが最高
当院では前立腺がんに対してこれまでに200例以上のロボット手術を行いました(写真4)。ロボットの導入により手術時間が短縮され、輸血もほぼ不要となりました。術後の痛みが軽く、手術翌日から食事、歩行が可能であり入院期間も短縮されています。
腎がんに対する低侵襲手術
腎がんの根治的な治療は手術です。かつては開腹で病側の腎臓を全て摘出する手術が行われていました。その後、低侵襲な腹腔鏡手術に移行してきました。大きな腎がんの場合には開腹しないと取れませんが、がんの大きさがある程度までの範囲に留まっていれば、腹腔鏡手術が可能になったのです。
一方、早期発見の腎がんは、がんだけを切除して正常な腎組織は温存する手術が、腎臓全体を摘出する方法と治療成績に差がないことが分かりました。そのため小さな腎がんの手術は、がんの部分だけを切除する腎温存手術に変わり、さらに腹腔鏡を用いた部分切除が広まりました。
ロボットが支援する腎がん手術
腎臓は血流が豊富なため、部分切除の際には迅速な止血操作が重要です。また、切除した部分を縫いますが、縫合手技が難しいことも腹腔鏡を用いた部分切除術の課題です。
ロボット手術は、従来の腹腔鏡手術に比べて、切除や止血、縫合の正確さやスピードが圧倒的に違うため、これらの課題を克服できます。2016年4月からロボットを用いた腎がんの部分切除手術が保険適用になりました。
腎がんを切除する際は、腎臓の大きな血管である腎動脈を遮断して、出血しないように血流を止めてから切除しますが、血流を止めている時間は短いほど腎機能は温存されます。ロボット手術は操作が速いので、従来の腹腔鏡手術より遮断時間を明らかに短縮することができます。

図 腎摘除術と腎部分切除術
ここも最高
腎がんはきちんと取り切れば治療後の経過が悪いがんではありません。ロボット支援によりがんを確実に取り、術後の腎機能をなるべく多く残すことが患者さんのメリットとなります。これまでは、がんの大きさや場所の問題のため部分切除が困難で、病側の腎臓を全て摘出せざるを得なかったがんでも、ロボットの導入により部分切除を受けるチャンスが広がりました。