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歯科インプラント治療の最新事情
歯科口腔外科 吉村 仁志 副科長・准教授 佐野 和生 科長・教授
歯科インプラント治療とは
歯科インプラント治療は、生体適合性を有する材料で作られた人工歯根(しこん)を用いて口腔(こうくう)組織に支持を求め、これに上部構造を装着して喪失した歯の機能や審美性の回復を図る治療です(写真1)。自分の歯に近い咀嚼(そしゃく)能力の回復が可能であり、審美性も良く異物感が少ないことから、現在の歯科医療において有用な治療法となっています。
歯科インプラントの治療環境
当院の歯科インプラント関連手術は、すべて中央手術室で行っています(写真2)。治療中は血圧や脈拍などのバイタルサインをモニタリングします。口腔内という常在菌が多く存在する環境において人工歯根の埋入や骨移植を行うため、治療の成功には感染予防が重要になります。器具はすべて滅菌管理し、清潔な環境で治療を行います。また、治療時の手術侵襲(しんしゅう)が大きい方や不安が強い方には、入院や全身麻酔での治療を実施しています。
コンピュータ支援によるプランニングならびにインプラント埋入
審美性を配慮した治療を行うため、歯科インプラント埋入前に上部構造を設計し、これに合わせたマウスピースを作製します。それを装着した上でCT検査を行い、コンピュータシミュレーションソフトで、骨量・骨質や神経・血管の走行について3次元的にデータを分析し、必要なインプラントの本数・サイズ・位置・方向を決定します(写真3)。
また治療計画から、歯科インプラントの埋入位置と方向を規定する外科用ガイドプレートをCAD/CAM(Computer-aided Design and Computer-aided Manufacturing)技術で作製し、手術を行うこともあります(写真4)。これらの技術により低侵襲・短時間での正確な治療が可能となります。
全身麻酔での骨造成
歯槽骨(しそうこつ)の垂直的あるいは水平的な骨量の不足がみられる場合には、骨造成を併用した歯科インプラント埋入を行います。当院では安全に治療を行うため、腸骨や顎骨(がっこつ)からの採骨と骨造成を行う際には、入院下に局所麻酔あるいは全身麻酔での治療を実施します。十分な骨量を確保することで、長期的に安定した治療成績が得られています(写真5)。
顎顔面インプラント治療
2012年より、腫瘍(しゅよう)・骨髄炎(こつずいえん)・外傷・先天性疾患などにより、3分の1程度以上の顎骨や歯槽骨欠損が認められる場合には、保険での歯科インプラント治療が可能となりました。当院は施設認定を得ており、また顎顔面インプラント専門医もおり、患者さんの治療を行う環境も整っています。病気や事故のため、やむなく歯を失ってしまった方において、経済的負担も少なく治療が行うことができ満足いただいています。
低侵襲での安心・安全な治療を目指して
歯科インプラント手術に伴う手術侵襲をできるだけ小さくし、患者さんの苦痛を軽減するとともに偶発症のリスクを回避できるよう、材料・器具・手技の面で改良に取り組んでいます。
【材料面】骨量がない場合には自家骨移植は有効な方法ですが、骨採取部位への外科的侵襲と、採取骨量に制限があることが問題となります。私たちはβ-TCPなどの人工骨補填材を併用することで、自家骨移植の割合を少なくするように努めています。
【器具の面】当院では、超音波振動を利用して骨を切削可能なピエゾサージエリーを保有しています。一般的な骨切削道具と比較して、愛護的な骨の処置が可能であり、また移植骨片採取の無駄も少なくなります。
神経や血管などの軟組織損傷を可及的に避けることができ、また上顎洞底挙上術(じょうがくどうていきょじょうじゅつ)では、洞底粘膜損傷の防止が可能になります。
【手技面】骨が不足している部分を吸収性のコラーゲン膜で覆うことにより、骨再生のスペースを作る方法GBR(Guided Bone Regeneration)法を用いることがあります。垂直的な骨量が乏しい上顎臼歯部欠損症例に対するインプラント埋入手術においては、ソケットリフトという術式を採用する場合があります。既存骨が4~5mm以上ある症例が適応となりますが、局所麻酔下での処置で行える利点があります。
当院では、処置時の振動による不快感を回避するために、特殊な専用のドリルを用いてより低侵襲に上顎洞底を挙上する手技を用いています。また歯科インプラント埋入部位の骨造成を回避して手術侵襲を少しでも軽減するために、直径の細いインプラントや長さの短いインプラントの使用、インプラントの傾斜埋入を行うこともあります。無歯顎や多数歯欠損に対して、インプラントの埋入を少ない本数で行い、義歯の支台装置として利用する場合もあります。
治療後のメンテナンス
安心な歯科インプラント治療を実践するため、上部構造が装着された後も定期的な経過観察を行っています。これにより周囲軟組織の健康と咬合機能圧(こうごうきのうあつ)のコントロールを長期的に管理します。また模型を保管し、メンテナンス時に問題が認められれば、すぐに対応できるようにしています。