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子宮頸がんのスペシャリストによる女性の気持ちに寄り添う最新治療
産科婦人科 黒川 哲司 副科長・准教授 吉田 好雄 科長・教授
子宮頸がんとは
子宮は、お腹(なか)の下の真ん中あたりに位置し、大きさは「なすび」程度です。形は、丸い形をした体部と、その下に連続して細長く膣につながっている頸部(けいぶ)があります。子宮頸がんは、この頸部にできるがんです。
子宮頸がんの原因は
最近、子宮頸がんの主な原因として、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が関与することが明らかにされました。この発見は医学会において大きな出来事で、発見した科学者は2008年にノーベル賞を受賞しています。
HPVはおよそ100種類ありますが、その内の一部が子宮頸がんの発生と関係があるといわれており、多くは性交渉によって感染します。そのため、近年の若年者の性行動の活発化に伴い、子宮頸がんは若年者に増えています(図1)。

図1 子宮頸がん発生率の推移
当院は、私たちの住む福井県におけるHPVの感染状況を、約7500人の住民を対象に調査を行いました(図2)。その結果は、25歳から29歳までの方に一番感染率が高く、6~7人に1人感染しており、30歳代では10人に1人が感染していることが分かりました。40歳代、50歳代、60歳代と年齢とともに感染率は下がっていきます。もちろん感染している方がすべて子宮頸がんになるわけではありませんが、感染者は子宮頸がんを発生する可能性があり、また、どのような方が、がんに進展するかは未だ不明です。このように、子宮頸がんは、皆さんの身近に潜むがんの1つであることに間違いありません。

図2 子宮頸がんになる危険のあるHPVの感染率
子宮頸がんの治療
子宮頸がんの治療は、がんの広がりに合わせ、手術・抗がん剤(化学療法)・放射線を組み合わせて行います。国内では、婦人科腫瘍(しゅよう)の専門家が婦人科悪性腫瘍研究機構(Japanese Gynecologic OncologyGroup:JGOG)をつくり、子宮頸がんにおいても、どのようながんに、どの組み合わせで治療を行うことが、子宮頸がんの治療成績を向上させるか検討しています。当科はJGOGの中核をなし、臨床研究に積極的に参加し、最新の治療をいち早く患者さんに提供できるように努力しています(写真)。
子宮頸がん手術の合併症を減らし患者さんにやさしい治療の取り組み
子宮頸がん手術の合併症の1つに尿の出が悪くなったり、尿が溜(た)まった感じがなくなったりすることがあります。これは、がん細胞をしっかり取り除くために、その周囲にある尿を出すための神経を傷つけてしまうからです。当科は、この合併症を減らすために、子宮頸がん手術の神経温存療法を採用しています。可能な限りがんを根治し、なおかつ最大限に患者さんの生活の質を温存するように取り組んでいます。
将来、妊娠したい患者さんには子宮を可能な限り温存
将来、妊娠を希望する患者さんであっても、これまで、ごく初期の子宮頸がん以外は、標準的治療として子宮全部を摘出し、妊娠をあきらめていただいていました。しかし近年、浸潤(しんじゅん)がん(がん細胞が体の組織内で増殖して広がった状態)で、がん細胞の広がりが小さいものに関しては、子宮を温存できる「広汎子宮頸部摘出術(こうはんしきゅうけいぶてきしゅつじゅつ)」を行っています(図3)。この術式は、がんのある子宮頸部の周辺だけを切除して、奥側の子宮体部と膣をつなぎ、妊娠に必要な機能を残す手術です。当科では、2014年に福井県内でいち早く採用し、現在まで4人の患者さんの希望にお応えしてきました。その内2人は、妊娠・出産されています。
この治療の目的は、妊娠・分娩に至り、元気な赤ちゃんを見守るところまでと考えています。この術式の問題は、腫瘍の根治性だけではなく、妊娠しづらく、妊娠しても早産(予定日の約1か月以上前に出産に至ってしまう)になることが多いことが挙げられます。そこで、不妊チームと周産期チームと協力して、より安全に妊娠・出産していただけるよう努めています。

図3 広汎子宮頸部摘出術
私たちが行う頸がん治療のメリット
子宮頸がんは若年化してきており、妊娠前に発見されたり、妊娠中に発見されたりすることもあります。それ故に、高度な不妊治療チームや早産に対応する総合周産期母児医療センターを備えている当院は、子宮頸がんの治療に適していると考えています(図4)。

図4 私たちが行うメリット