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- 骨髄異形成症候群
- 麻酔
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ライフスタイルに合わせて選べる腎不全治療
腎センター / 血液浄化療法部 (腎センター・血液浄化療法部)糟野 健司 副センター長・副部長 (血液浄化療法部)岩野 正之 部長・教授 (腎センター)横山 修 センター長・教授
3通りの腎不全治療
末期の慢性腎臓病は、昭和40年代までは不治の病といわれていましたが、腎臓の代わりをする腎代替療法を受けることで、新たな人生のスタートを切ることが可能です。
腎代替療法には「腹膜透析」「血液透析」「腎臓移植」の3通りがあります。当院の腎不全治療は、この3つの中から自分に最も合った治療法を選べます。医学的条件だけでなく、ライフスタイルや年齢、性格なども考慮して選択します。3つの治療法は、一度この治療法と決めたら永久にというものではなく、途中で別の治療法に移行することもできます。また、腹膜透析と血液透析の併用療法も可能です。さらに、どの透析療法からも移植はでき、移植後にまた腎臓が悪くなった場合、ほかの透析方法への移行も可能です。
通院回数の少ない腹膜透析
腹膜透析は、お腹(なか)にカテーテルという管を入れ、から管腹腔内(ふくくうない)に直接透析液を注入し、一定時間貯留している間に腹膜を介して血中の老廃物を透析液に移動させます。十分に移動した時点で透析液を体外に排液します。排液後、次の新しい透析液をお腹にためて、これを繰り返してお腹の中を洗うイメージです(図1)。

図1 腹膜透析療法
CAPDの特徴
- 腹腔に透析液を出し入れして血液をきれいにします
- 腹部にカテーテルという細いチューブを埋め込む簡単な手術をします
- 毎日、通常4回透析液を交換します。交換は自宅や外出先で行うことができます。通院は月1~2回です
- 自分で透析液の交換を行います
腹膜透析は、治療時間帯によりCAPD(continuous ambulatory peritoneal dialysis)とAPD(automated peritoneal dialysis)があります(図2)。APDは夜間に機械が自動的に透析液の出し入れをしてくれます。治療効果を上げるためCAPDとAPDを併用することもあります。通常、通院は月1~2回程度です。透析液バッグの交換は、患者さんが自分で毎日行います。

図2 腹膜透析
当院では、すべての腹膜透析液に中性の物を使うことにより腹膜を長持ちさせる治療を行っています。最大の合併症である腹膜炎を起こさないように清潔指導を行っています。腹膜透析は、血液透析に比べ自分の尿が出る期間が長いという特徴があります。
最もスタンダードな腎不全治療
血液透析は、血液を透析膜に通してきれいにして体に戻す方法です。通院は週3回程度です。透析機15台の内、6台を最新のオンラインHDF/IHDF対応、7台を最新のIHDF対応として電子カルテと連動したコンピューター集中監視としています。
透析合併症に対する検査はすべてプログラム化されており、定期的検査と眼科や歯科などの定期受診を組み入れています。心胸比、hANP、血圧、エコーによる下大静脈径、クリットラインモニターを用いたドライウェイト管理、鑑別疾患の除外を含む貧血管理、慢性腎臓病と骨ミネラル代謝異常(CKD-MBD)管理、造影CTによる透析腎がんのスクリーニングなど、透析患者さんの長期予後を視野に検査を行っています。
シャントトラブルには超音波や血管造影検査を行い、関連する泌尿器科、放射線科と協力して治療にあたっています。維持透析のほかに、腹膜透析とのハイブリッド療法、急性腎障害に対する緊急透析導入、アフェレシスによる炎症性腸疾患、免疫性神経疾患や免疫性皮膚疾患に対する治療、CART療法(腹水濾過(ふくすいろか)濃縮再静注法)も積極的に実施しています。
当院の血液透析室は、スタッフカウンターをなくしたことが大きな特徴です。これによってスタッフがカウンターに集まることなく、患者さんと垣根なく、より近い距離で診療にあたることができています。各床ゆとりの幅を確保して手術後や重症患者さんに対応しやすくしています。保存期腎不全の患者教育にも力を入れ、緊急カテーテル導入を防ぐための試みも行っています。
適応が広がる腎移植
腎移植は、血液透析や腹膜透析に比べ通院の頻度(ひんど)や、食事、飲水量、日常生活の制限が少なく、女性の場合は出産できる可能性が大きくなります。
ドナー(提供する方)、レシピエント(提供される方)の年齢は70歳ぐらいまでが目安とされます。2016年、血液型ABO不適合移植の保険適用が認められ、これまで血液型が合わないからとあきらめていた方でも、6親等以内の血族か3親等以内の姻族間で、どんな血液型の組み合わせでも生体腎移植が可能となりました(表)。現在、献腎(死体腎)移植を希望する場合は、日本臓器移植ネットワークへの登録と同ネットワーク関連施設である福井大学病院腎センターへの受診が必要となっています。選定基準は血液型などを点数化して考慮されます。臓器移植法の改定で親族優先提供(生前意思表示のあるドナーから配偶者、子、父母へ)が可能となりました。
生体腎ドナー適応ガイドライン |
6親等以内の血族または3親等位内の姻族 |
20歳以上70歳以下 |
全身性活動性感染症がない |
HIV抗体陽性がない |
クロイツフェルト・ヤコブ病がない |
悪性腫瘍がない |
血圧140/90mmHg未満 |
肥満がない |
腎機能が正常(GFR80以上) |
タンパク尿がない |
糖尿病がない |
器質的腎疾患がない |
福井大学病院腎センターでは腎臓内科と泌尿器科の協力体制が整っており献腎移植、生体腎移植、透析治療を経ずに移植を行う先行的腎移植など多数行ってきました(写真)。さらに従来、拒絶反応で生着が難しかった血液型不適合腎移植や抗HLA抗体陽性腎移植も実施しています。ドナーとレシピエントを全身検査し、計画的な移植を行っています。腎移植専門外来にて術後の通院やドナーのフォローも生涯行っています。栄養管理士、ME技師、看護師、医師を含めた職種横断的カンファレンスを行い、血液透析・腹膜透析・アフェレシス・腎移植・保存期腎不全患者の管理について情報共有を図っています。