がん診療について
地域がん診療連携拠点病院指定
がん診療推進センター長
現在わが国の死因の第一位はがんです(年間30万人)。2.4人に1人が一生に一度罹患し、今現在160万人が治療を受けています。米国でははじめてがん死亡が減少に転じましたが、超高齢化社会に直面しているわが国では未だ増加の傾向が続いており、国を挙げてがんを克服しようとさまざまな施策が講じられています。平成16年、政府は「第三次対がん10カ年総合戦略」をはじめ、「がんに関する基礎研究やその研究成果を幅広く応用転化する研究等を一層推進するとともに、新しいがんの予防対策を推し進め、より質の高いがん医療の「均てん化」等により全国どこでも最適ながん医療が受けられるようにすることで、がんの罹患率と死亡率の激減を目指す」ことを宣言しました。がん医療の向上とそれを支える社会環境を整備し、がん医療の均てん化を図るために「がん診療連携拠点病院の整備」「がん専門医の育成」が掲げられています。
「地域がん診療連携拠点病院」が求められる具体的な役割は以下のようなものです。
- 地域の医療機関と緊密な連携を図り、専門的ながん医療を提供する。
- 全国共通の方法に準じて院内がん登録を整備し、がん治療の成績向上に努める。
- 本院でのがん診療に関する情報を公開し、地域がん診療に貢献する。
- 地域住民に対し、がんの予防やがん医療を受けるために有用な情報を提供する。
- がんの緩和医療(がんの痛みに対する専門的医療など)を提供する。
- 地域のがん診療に携わる医療従事者に対し、必要な研修を積極的に推進する。
- これらにより、二次医療圏を基本とする地域全体におけるがん医療水準の向上に資する。
このような背景で、平成14年3月以来、県内では、福井県立病院、福井済生会病院、福井赤十字病院の3病院が指定されていました。平成18年12月には全国で新たな指定追加が行われ、福井県では本院と敦賀の独立行政法人国立病院機構福井病院(現:敦賀医療センター)が指定を受けました。(詳しくは国立がん研究センターがん情報センターを参照ください。)
本院は、地域がん診療連携拠点病院指定を受けたことにより、これらの役割を果たしていかなければなりません。そこで「がん診療推進センター」を立ち上げました。縦割りになりがちながん診療に関わる、病院内のさまざまな問題を整理し、以下のように対応してまいりますので、ご理解とご協力をお願いいたします。