お子様とお薬
保護者の方へ
お子様へお薬を正しく与えましょう
お薬は正しく使って初めて有効で安全なものになります。お子様にお薬を与えることはなかなか難しく、いろいろな工夫が必要です。今回、その助けとなる基本的なことをまとめてみました。
シロップ剤
- 軽く振って中身を均一にします。
- 指示に従ってきちんと計量カップ等で測ります。
- 乳児にはスプーンやスポイトなどで頬の内側に落として少しずつ飲ませ、口直しに水やぬるま湯を飲ませます。
- シロップ剤と粉薬が処方されていた場合、混ぜてよいか薬剤師にあらかじめ確認しましょう。
- 使った計量カップはきれいに洗っておきましょう。
ドライシロップ剤
- そのまま飲むこともできます。
- 適当量の水に溶かしてシロップ剤と同じように飲ませることもできます。
- ミルクなどには溶かさないでください。お子様がミルク嫌いになることがあります。
粉薬(顆粒剤)
- 少量の水で口の中を潤します。
- 粉薬を口の中に入れます。
- コップ1杯の水またはぬるま湯を飲ませます。粉薬をそのまま与えると、味を嫌ったり、むせてしまって、うまく飲めないお子様もいます。飲みにくい場合は次のようにいろいろ工夫してください。
- 少量の水、ぬるま湯などで練り、頬の内部や上あごにこすりつけて飲ませます。
- 適量の水、ぬるま湯で溶かし、スプーンやスポイトで少しずつ、なるべく口の奥に流し込みます。錠剤・カプセル剤は、コップ1杯の水またはぬるま湯といっしょに飲ませます。
- お子様を座らせた状態で飲ませてください。(寝かせたままで飲ませると窒息するおそれがあります
- 飲んだ後、口の中に錠剤が残っていないかどうかチェックしてください。(まれに口の中にそのまま残っていることがあります。)
坐剤
- 先のとがったほうを肛門にあてて坐剤を一気に入れます。
- 入れたら、10秒ほど押さえておきます。1/2量の指示の時は、包装フィルムごと清潔なハサミなどで半分に切り、フィルムをはがし、切り口の反対側から入れます。
塗り薬
- 患部をきれいにします。
- 保護者の手指をきれいに洗います。
- 適量を指先につけて、医師により指示のあった部位(症状のある部位)に塗り、よくのばします。
注意:チューブから直接患部には塗らないでください。
点眼薬
容器の先が目に触らないようにし、お薬を1滴落とします。お薬をさした後、お子様が手で目をこすらないようにしてください。
注意すべきお薬の副作用
発赤、蕁麻疹、元気がない、震えなどいつもと違う様子が見られた時は、できるだけ早く医師や薬剤師に相談しましょう。以下にあてはまる時には、あらかじめ医師や薬剤師に相談してください。
- 別の病院や診療所でお薬を飲んでいる。
- アレルギーや蕁麻疹などが出たことがある。
- お薬の副作用を経験している。長期間使用の場合には、腎臓や肝臓などに機能障害が出ることもありますので、定期的に病院で検査を受けましょう。
子供のお薬のQ&A
お薬をミルクに溶かして飲ませてよいですか?
ミルクや食品には原則として混ぜないでください。ミルク嫌いになったり、食事嫌いになるおそれがあります。
ステロイド軟膏は副作用が心配?
指示どおりに短期間使う場合は、副作用の心配はまずありません。長期間にわたる時は、医師や薬剤師とよく相談して使ってください。
同じ症状が出たので、お姉ちゃんの「薬」を弟に与えていい?
お薬はそれぞれのお子様に合わせて処方されています。他の人にあげたり、他の人のお薬をお子様に飲ませないでください。お姉ちゃんのお薬はお姉ちゃんだけのお薬です。
お薬を保管する場所は?
- 直射日光、高温、多湿なところを避けて保管してください。
- お薬は必ずお子様(乳幼児)の手の届かないところに保管してください。
解熱剤(坐剤)の使い方は?
熱冷ましの坐剤は、医師の指示に従って使用してください。挿入した後、熱が下がらないからといって、すぐにもう1回挿入してはいけません。まず、医師に相談してください。
頓服(とんぷく)の使い方は?
熱を下げたり、痛みをとるために必要に応じて、そのときに服用するのが原則です。1日の服用回数は、それぞれのお薬により異なりますのでよく確認してください。
お薬について、もっと知りたい、何かわからないことがあったら、遠慮なく、医師、看護師、薬剤師に相談してください。保護者の方が十分にお薬のことを理解したうえで、お子様にお薬を与えることが大事だからです。