ISO15189:2012認定

はじめに

 患者さんと診療科の皆様へ日々提供している臨床検査値、画像所見、血液・病理標本所見は診療の基盤であり、迅速かつ正確であることを第一に心掛けておりますが、近年頓にその検査の品質管理の重要性が強調されて参りました。即ち、厚生労働省がこの10年余りに示してきた臨床研究・治験、がんゲノム医療、改正医療法の要求事項では国際レベルの検査管理が必須あるいは望ましいと表記されています。この状況を踏まえて数年前から臨床検査ISO(ISO15189)認定の検討を始め、本年2月に検査部・輸血部・病理部の3部門が県内初となるISO 認定を取得致しました。

ISO15189:2012とは

 ISO15189はISO9001品質マネジメントとISO/IEC17025に基づき、検査室組織の品質管理に加えて厳格な検査技術の要求事項を満たすことで、提供する測定値の精度が国際レベルであることを保証する規格であり、顧客は患者と診療科となります。同ISOでは臨床検査室独自のQMSを構築し、内部監査を行い、マネジメントレビュー会議でQMS活動が正常に機能しているかを評価しながら検査室運営を行います。手順を文書化して統一した業務を行い、内部精度管理を基本として温度計やピペット類の検定、作業環境管理、検査要員の力量評価など、これまで精度管理の概念が乏しかった生理検査や病理検査の領域にまで品質管理が広く行き渡るようになりました。また、顧客のニーズに応えるためには、検査室だけではなく検査プロセスに関与する他職種との連携も大変重要と感じています。認定取得への道のりは大変でしたが、平成30年秋から約1年半にわたり3部門の部員が一丸となって準備に取り組みました。その究極の成果として、令和2年4月からは以下に示します170以上の検査項目で県内初の認定施設となりました。
 本院はISO9001とISO15189の両方を取得した全国でも数少ない大学病院となります。今後も両QMSを実践し本認定を維持・継続することで、福井大学附属病院の最新・最適な医療に一層貢献できるように頑張りたいと考えています。また、福井県の医療を臨床検査からリードし支援できる検査室を目指して行きます。