病院長あいさつ

福井大学医学部附属病院長 腰地 孝昭

 皆さまには日頃、福井大学医学部附属病院に対しまして格別のご高配を賜り、心より感謝申し上げます。
 本院は県内唯一の特定機能病院として、また医師・看護師等の養成機関として、福井の医療における最後の砦としての役割を果たしてきました。近年では医療の高度化に対応するため平成26年に新病棟(A棟)を開院、その後外来・中央診療棟の再整備も竣工して内装にも工夫を凝らし、第2世代の大学病院に生まれ変わりました。中でも、手術部では手術支援ロボット、ハイブリッド手術室、国内最先端の手術器具滅菌管理システムを導入するなど、ハード面を整備しました。さらに、ソフト面でも入院病床(600床)を11の臓器疾患別センターに再編し、内科・外科など診療科の縦割りを廃した集学的治療を行う新しい体制を構築しました。
 さて、ご承知のように少子高齢化社会の急速な到来と社会保障費の増大は医療政策の根幹に関わる重要課題であり、限られた資源を最大限有効に利用して国民の健康を守り、幸福な社会を実現することが求められます。2025年の福井県地域医療構想によれば、高度急性期から急性期、回復期、在宅・介護などの慢性期まで県内の病院・診療所の機能分化を進め、効率的でシームレスな医療体系の構築が必要とされています。
 また外来機能でも、初期の治療は地域の医院・診療所(かかりつけ医)で、高度・専門治療は病院で行うという医療機関相互の役割分担及び業務連携の推進が求められ、本院のような特定機能病院では、紹介状なしの初診に選定療養費(5,400円)の加算が義務づけられました。皆様にはこの制度の趣旨をご理解頂きますようお願い致します。
 一方で、本院が立地する永平寺町からの要請により、「永平寺町立在宅医療診療所」を開設し、その管理委託を大学病院が請け負うという全国でも極めて希な試みを本年8月から開始します。これは、永平寺町の弱点である在宅医療で地域に貢献するとともに、急性期医療に傾倒しがちな医学教育の中に、地元に根ざした慢性期医療の教育シーンという新しいツールを取り入れ、将来の福井の地域医療を担う総合診療医を育成することを目的としています。          
 また、昨今の重要な話題として働き方改革の問題があります。医師は公的な使命を有する一方、一個人、一労働者として健康を守る必要があります。そのため、本年4月から、緊急時を除いて時間外、休日における病状説明は行わないなど、働き方改革に向けて意識改革を進めて参ります。この点も皆様にはご理解とご協力をお願いいたします。
最後に、私どもは福井県のすべての地域の皆さまに信頼され、愛される大学病院として職員一丸となって努力を続けて参りたいと思います。皆さま方のより一層のご理解とご支援をお願い申し上げます。