男性不妊外来

目的

日本は少子高齢化といわれ、子供の人口が年々減っている状況です。加えて、ライフスタイルの変化から、晩婚化が進みつつあります。男性も女性も加齢と共に生殖能力が低下することが分かっており、自然妊娠が難しく、不妊症に悩む夫婦が増えているのが現状です。不妊症は女性だけの問題ではなく、約半分に男性の問題があると言われています。本邦で不妊症治療が保険適応となり、当院では、今まで行ってきた生殖治療をさらに高度化するために、2022年より福井県と協力し生殖医療センターを立ち上げました。男性不妊症外来は、本センターの一部門として、産婦人科と綿密な連携を取りながら診療を行います。精液の検査で問題があった場合に男性不妊症と診断されますが、その治療には専門的な知識や治療体制が必要です。各種検査を行うことで、自然妊娠が可能か、またはご夫婦共に生殖補助医療が必要になるか判断していきます。より多くの不妊症に悩まれている方に対して、少しでもお力になりたいと考えています。
泌尿器科医としては、福井県で唯一の日本生殖医療学会の専門医が診察を担当しています。

診察内容

検査

精液検査と陰部の診察を行います。精子が全く認められない無精子症、WHOの基準に満たない精液数の場合は乏精子症、停止してる精子が多い場合は精子無力症と診断されます。
精子の異常は精索静脈瘤や染色体の異常、遺伝子の異常、ホルモン値の異常などが原因になっている事があります。身体所見に続き、エコー検査や採血検査を追加することがあります。
精液の問題以外に、射精障害が原因の不妊症もあります。自覚のないまま、糖尿病や神経疾患になっている場合もあれば、心理的な要因もあり得ます。

治療

不妊症治療の最終的な目的は挙児を得ることですが、現時点で男性不妊症の原因は不明な事が多いと言われており、すべての患者に対して適切な治療が存在するわけではありません。
精巣を刺激するホルモンが足りない場合はホルモン投与を行います。
精子の数が少ない乏精子症や、精子の動きが悪い精子無力症に対して、精索静脈瘤と診断された場合は、顕微鏡下精索静脈結紮術を行います。本手術により、精液所見が改善する可能性があり、自然妊娠の割合も上がると言われています。
精液中に精子が存在しない無精子症の場合は、精子を精巣から採取する必要があり顕微鏡下精巣内精子採取術を行います。
これらの手術はいずれも、男性不妊症に対する治療として、保険適応となっています。

診療内容

精液検査、採血(ゴナドトロピン、男性ホルモン、染色体検査、遺伝子検査など)
超音波検査、カウンセリング、内服加療、手術(顕微鏡下精索静脈瘤手術、顕微鏡下精巣内精子採取術)
*精液検査は処理を行うため1時間程度かかります。

診療時間

毎週金曜日 14:00~17:00

診療科

泌尿器科

担当医

福島正人

関連診療科等

産婦人科