女性泌尿器科外来
目的
女性泌尿器科外来は骨盤臓器脱、尿もれ、膀胱炎など、女性特有の病気を診る外来です。泌尿器科を受診する患者は男性が多いことから、女性は受診をためらう傾向があります。さらに、これら女性特有の病気に対する診療は専門性が高く、一般の泌尿器科では診断や治療が難しい領域です。そこで、女性泌尿器科外来を行うことで、より多くの女性患者に対して、適切な医療を提供できる可能性があると考えています。
日本女性骨盤底医学会、日本骨盤臓器脱手術学会などの女性に特有な学会に所属している医師が診察を担当しており、女性医師も在籍しています。
診察内容
骨盤臓器脱
女性の骨盤臓器である膀胱、子宮、直腸は、骨盤底筋群といわれる筋肉や靱帯で支えられています。女性は男性に比べて骨盤腔が大きいうえ、出産や加齢などで筋肉や靱帯が緩み、また肥満、便秘などで腹圧が上昇すると、骨盤臓器を支えきれなくなり臓器が下垂する傾向があります。それらの臓器が、主に膣口より出てくる病気を、骨盤臓器脱と呼びます。治療としては、骨盤底筋体操や、膣内にペッサリーと呼ばれるリングを挿入する方法がありますが、根治的ではありません。我々は主に、メッシュを用いた腹腔鏡下膣仙骨固定術を行っています。2022年からはダビンチという手術ロボットを用いた手術も開始し、より安全かつ低侵襲な手術が可能となっています。
尿失禁
女性は男性に比べて尿道が短いため、運動や咳などに伴い尿がもれる、腹圧性尿失禁が起こります。骨盤低筋群のゆるみが原因であることが多く、有効な薬物治療はありません。骨盤底筋体操による治療を行いますが、効果が乏しければ手術療法を選択します。主には、尿道の下にテープ状のメッシュを挿入する手術を行っています。
膀胱炎
膀胱炎も女性に多い病気であり、時に繰り返し発症する方がおられます。抗菌薬を投与しても改善しない膀胱炎の中に、間質性膀胱炎という病気があります。膀胱の内視鏡検査を行うことで診断することが可能であり、麻酔をかけた状態で膀胱に水を入れて拡張させる治療が有効である可能性があります。また、膀胱に薬物を注入する治療も行っています。
検査内容
超音波検査、内診、膀胱鏡、排尿機能検査、レントゲン造影検査、など
診療時間
毎週木曜日 14:00~17:00
診療科
担当医
福島正人、関雅也、堤内真実
関連診療科等
産婦人科