血液・腫瘍内科

血液がん、良性血液疾患、固形がんの薬物療法を専門とします。対象疾患は白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの血液がんが中心ですが、固形がんの専門的化学療法にも対応いたします。貧血や出血症状などすべての血液疾患を血液専門医として診療いたします。
更に福井県唯一の骨髄移植認定内科施設です。

診療体制・治療方針

外来診療では、各教官が交代で毎日診療を行い他院からのご紹介にも対応しております。病棟診療では、常時30〜40人の患者さんがご入院され、1人の患者さんを教官、大学院生・医員、研修医の複数医師で担当いたします。週1回、教授(診療科長)による回診が行われ、さらに医師だけでなく、看護師、薬剤師、検査技師も交えカンファレンスを行い、一人一人の患者さんの診断と治療方針を検討しています。基礎理論とエビデンスに基づいた合理的な診療を実践いたします。全国的な研究グループ(日本成人白血病治療研究グループや日本臨床腫瘍研究グループ悪性リンパ腫研究班)の加盟施設として臨床研究を行っています。数多くの新治療に取り組んでいます。

得意とする分野

血液がんに対する化学療法を診療の中心としています。その中でも、最も強力な化学療法を行う必要のある白血病の治療を得意な分野としています。例えば、急性骨髄性白血病では治療中に正常好中球数が0の状態が約2週間持続します。その間、無菌室を用いてきめ細かい治療を十分に行い、治療毒性死を回避する必要があります。当科の医師はこのような非常に厳しい化学療法に熟達しております。また、最近注目を集めている分子標的療法についても使用経験が豊富です。福井県唯一の骨髄移植認定内科施設です。さらに、教室員のほとんどが血液専門医や、がん薬物療法専門医であり、血液疾患全般に精通しております。また、痛風・高尿酸血症も核酸代謝の面から共通の専門分野で全国でも数少ない専門施設です。

高度医療

網羅的遺伝子解析

白血病細胞の遺伝子異常を数多く調べることでがんの個性に応じた薬剤を選択することができます。

分子標的療法

腫瘍細胞にのみ存在する特異的な異常遺伝子や分子を標的とした薬剤を用いるミサイル療法のことで、効果的で副作用が少ないことが特徴です。慢性骨髄性白血病に対するイマチニブ、悪性リンパ腫に対するリツキシマブ、多発性骨髄腫に対するダラツズマブなどが代表です。特殊な薬剤として放射性同位元素を結合させたゼバリンを使用することもできます。そして近年著しく発展した免疫チェックポイント阻害薬を安全に投与することができます。さらに近年進歩の著しい固形がんに対する分子標的療法にも対応します。

抗がん薬大量療法

白血病や悪性リンパ腫ではシタラビンやメトトレキサートを通常量の5~10倍投与する大量投与が必要になることがあります。化学療法を専門とする当科では安全に行うことができます。

造血幹細胞移植療法

当科は福井県唯一の骨髄移植認定内科施設です。悪性リンパ腫や多発性骨髄腫に対して自家末梢血幹細胞移植療法を行います。急性白血病などに対して同種骨髄移植療法を行います。

未承認薬、治験薬を用いた先端的薬物療法

欧米では承認されているにもかかわらずわが国では未だ保険で認められていない抗がん薬や臨床試験中の治療法を本院の治験審査委員会、倫理委員会の承認のもと、患者さんの希望に応じて用います。

対象疾患

急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、真性多血症、本態性血小板血症、骨髄線維症などの造血器悪性腫瘍、鉄欠乏性貧血、悪性貧血、溶血性貧血、再生不良性貧血、夜間発作性血色素尿症、遺伝性球状赤血球症、特発性血小板減少性紫斑病、血栓性血小板減少性紫斑病、播種性血管内凝固症候群、血友病などのすべての血液疾患、さらに固形腫瘍の専門的化学療法にも対応いたします。また、痛風・高尿酸血症の専門的診療を行います。

主な検査と説明

血液検査

血液の病気ではまず採血を中心に調べます。

骨髄穿刺・骨髄生検

骨髄は造血の場であるだけでなく白血病細胞が増える場所であり、骨髄の検査は最も重要です。採血や骨髄から得られた検体を用いてフローサイトメーターによる表面抗原解析、がんに特異的な異常遺伝子の解析などを専門的に行い、診断や治療効果の判定、フォローアップに用います。

画像検査

CT、MRI、FDG-PETなどで全身の状態を把握します。特に悪性リンパ腫では病期を決定するために重要な検査です。

無菌室

合計17床の無菌個室を有し、白血病の化学療法や移植療法を安全に行うため使用します。

科長・スタッフ紹介

山内高弘

科長・教授
山内 高弘
専門領域
血液疾患・がん薬物療法・痛風

根来 英樹

副科長・講師・病棟医長
根来 英樹
専門領域
血液疾患・がん薬物療法
助教・外来医長 森田 美穂子 血液疾患・痛風
助教 新家 裕朗
医員 位田 奈緒子
医員 山内 英暉
医員 田中 周

兼任

講師 細野 奈穂子 血液疾患・がん薬物療法・輸血・造血幹細胞移植
助教 松田 安史 血液疾患・がん薬物療法

学会等認定制度による施設認定

学会等名 事項
日本内科学会 認定医制度教育病院
日本血液学会 血液研修施設
日本臨床腫瘍学会 認定研修施設
日本臨床薬理学会 認定医制度研修施設
日本造血細胞移植学会 認定医制度研修施設

外来診察予定

月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
午前 【初診・再診】
森田 美穂子
〔血液・腫瘍・痛風〕

新家 裕朗
〔血液・腫瘍〕

 

【初診・再診】
山内 高弘
〔血液・腫瘍・痛風〕

松田 安史
位田 奈緒子
〔血液・腫瘍〕

【初診・再診】
細野 奈穂子
山内 英暉
〔血液・腫瘍〕

【初診・再診】
根来 英樹
〔血液・腫瘍〕

森田 美穂子
〔血液・腫瘍・痛風〕

午後 【再診】
細野 奈穂子
新家 裕朗
〔移植後外来〕
※完全予約制

 

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