歯科口腔外科
診療においては、口腔外科疾患、有病者歯科、周術期口腔機能管理の3つを中心に取り組んでいます。高度な医療を提供するとともに、最先端医療の研究と実践に取り組みながら、皆様により良い医療を安心して受けて頂けるように努めています。

診療体制・治療方針
当科では、地域の歯科医療機関の先生方と連携し、顎口腔領域の腫瘍、嚢胞、外傷、炎症、顎変形症、顎関節疾患、埋伏智歯などの治療を、口腔外科指導医や専門医のもとに行っています。また、全身疾患のため歯科医院では治療が困難な方は、かかりつけ医師の先生方と相談して治療に取り組んでいます。他科で入院される方に対しても、術前検査支援部や集中治療部と連携しながら、口腔衛生指導、感染病巣の除去、摂食障害の改善、口腔内細菌による誤嚥性肺炎の予防などを目的とした口腔機能管理を行っています。
得意とする分野
①口腔外科疾患
A.歯科インプラント治療
人工歯根を用いて喪失した歯の機能回復を図る方法であり、咀嚼障害や審美障害に対する有用な治療法となっています。CTのデータを元に、治療部位の骨量・骨質や神経・血管の走行などの解剖学的構造を3次元的に評価し、手術用ガイドを用いて短時間で安全かつ正確な治療の実践に取り組んでいます。当院は、腫瘍、外傷、先天性歯牙欠損に対する歯科インプラント治療において、保険診療の認定を受けています。

術前の3次元的シミュレーションと歯科インプラント治療後
B.顎変形症
矯正歯科専門医と連携しながら、手術シミュレーションソフトにて下顔面の不整を3次元的に分析し、機能的な咬合と調和の取れた顔貌を目指した手術を行っています。

左右非対称を伴う下顎前突症の3次元的手術シミュレーション
C.顎関節疾患
顎関節に症状を自覚される方は多く、自然に症状が軽快するか積極的な加療が必要か診査や検査を行い、適した治療を実践しています。
D.顎骨および咀嚼機能の再建
耳鼻咽喉科・頭頸部外科および形成外科の先生方との連携のもと、顎骨形態および口腔機能の回復を目指した顎骨再建に取り組んでいます。歯科インプラントを併用し、咀嚼機能の改善を図る治療も行っています。
②有病者歯科
近年の高齢者の増加に伴い、全身疾患や抗血栓薬による出血傾向などのため、一般の歯科医院では治療が困難な方が増えています。地域のかかりつけ医師や当院の関連各科の先生方と連携し、安全な歯科医療の提供に努めています。また、麻酔科蘇生科の先生方の協力のもと、障がいを有するの方の全身麻酔下歯科治療も実施しています。
③周術期口腔機能管理
入院中の口腔機能管理の実践は、入院日数の短縮、術後合併症の減少、医療費の削減に有効であることが報告されています。当科では、早期回復・早期退院を目指した口腔ケアに取り組んでいます。
高度医療
3次元実体モデルやナビゲーションシステムを用いた高精度治療や、内視鏡や超音波骨切削器などを用いた低侵襲治療に取り組んでいます。早期での口腔機能の回復や入院期間の短縮を目指すとともに、これからの超高齢社会に必要となる治療法の検証を行い、安心で安全な医療の発展に繋げたいと考えています。
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実体モデルによる3次元的な手術シミュレーション (下顎骨の短縮) |
顎骨腫瘍摘出時の術中ナビゲーション画面 |

内視鏡による下顎骨の関節突起骨折の手術
症状・対象疾患
口腔外科疾患:
炎症、外傷、顎変形症、顎関節疾患、口腔粘膜疾患、口腔嚢胞、口腔腫瘍、歯の欠損に対する歯科インプラント治療など。
有病者歯科:
高血圧症、狭心症/心筋梗塞、先天性心疾患、心臓弁膜症、糖尿病、肝機能障害、腎機能障害、脳血管障害、呼吸器疾患などの全身疾患を有する方、抗血栓療法中、感染性心内膜炎や局所麻酔薬による偶発症の既往のある方など。
周術期等口腔機能管理:
がんのため手術・放射線治療・化学療法を受けられる方、心臓血管外科手術、人工股関節置換術等の整形外科手術、臓器移植手術を受けられる方など。
主な検査と説明
CT、MRI、FDG-PET、骨シンチグラフィー、超音波検査等の画像検査:
最新の検査機器を用いて病態の詳細な診断が可能となります。
病理組織検査:
病変の細胞や組織についての正確な診断が可能となります。
顎運動機能検査:
歯科用下顎運動測定器にて開閉口時の顎運動と筋活動電位を分析し顎機能の診断を行います。
共振周波数解析装置:
非接触でインプラント安定指数を測定し、インプラントの顎骨への固定状態を客観的に評価します。
神経障害の評価:
顎顔面の三叉神経第2枝、第3枝の支配領域について触覚、痛覚、温覚について障害の程度をテスターなどを用いて評価します。
3次元的分析ソフト:
CTで得られたDICOMデータを元に、コンピューター上で診断や手術シミュレーションを行います。
科長・スタッフ紹介

顎顔面外傷・顎口腔腫瘍・顎変形症・口腔インプラント

顎関節症・口腔外科・口腔インプラント
助教・外来医長 | 島田 美那子 | 口腔外科 |
助教 | 吉田 寿人 | 口腔外科 |
助教 | 阿久津 純一 | 口腔外科 |
医員 | 領家 崇 | |
医員 | 糸井 勇人 | |
医員 | 渡辺 泰樹 | |
医員 | 鹿庭 美奈子 |
学会等認定制度による施設認定
学会等名 | 事項 |
---|---|
日本口腔外科学会 | 認定研修施設 |
日本顎関節学会 | 認定研修施設 |
日本顎顔面インプラント学会 | 認定研修施設 |
日本口腔科学会 | 認定研修施設 |
外来診察予定
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | |
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午前 | 【初診・再診】 吉村 仁志 松田 慎平 島田 美那子 吉田 寿人 阿久津 純一 領家 崇 糸井 勇人 渡辺 泰樹 鹿庭 美奈子 |
【初診】 外来担当医 (手術日) |
【初診・再診】 吉村 仁志 松田 慎平 島田 美那子 吉田 寿人 阿久津 純一 領家 崇 糸井 勇人 渡辺 泰樹 鹿庭 美奈子 |
【初診・再診】 吉村 仁志 松田 慎平 島田 美那子 吉田 寿人 阿久津 純一 領家 崇 糸井 勇人 渡辺 泰樹 鹿庭 美奈子 山本 哲嗣 |
【初診】 外来担当医 (手術日) |
午後 | 外来手術 | 外来手術 | 外来手術 | ||
〔顎顔面インプラント外来〕〔顎関節外来〕 |