子どものこころ診療部
「子どものこころ診療部」は、子どもの「こころの発達」やその問題の診断・治療・支援を専門とする、全国でも数少ない診療部門です。発達のひずみ・アンバランスにより困り感、生きづらさを抱える子どもたちとそのご家族のため、小児科、神経科精神科、地域医療、教育、福祉とも連携しながら、最新・最適の医療を提供し、子どもの「育つ力」「立ち直る力」を支援しています。
診療体制・治療方針
発達小児科学、精神・神経科学、脳科学、心理学、教育学、疫学などさまざまな分野の最新の研究の知見に基づきながら、一人ひとりの子どもとご家族に寄り添った診療を行います。
受診対象
当診療部は原則0~18歳未満(具体的には高校3年生の夏休み前まで)の方を初診の対象としており、初診の際にはお子様自身が受診する必要があります。
神経性やせ症の方、興奮症状を伴い暴力を認める方、自殺の危険のある方については、当診療部では入院施設がなく、また夜間休日の対応が困難なため、初診の受付を扱っておりません。
受診方法
完全予約制です。当診療部を受診するためには医療機関(お近くのかかりつけ医など)からの紹介状が必要です(心理士や学校の先生等からではなく、医師からの紹介が必要です)。受診した医療機関から福井大学医学部附属病院の地域医療連携室に紹介状をFAXで送っていただくようにお願い致します。
※ お子様が一緒に受診できない場合は、家族相談料が必要(自費診療)です。この場合は1回のみの受診で、以降の定期的なフォローアップを行うことができませんので、ご了承ください。また、この場合もお子様に関する相談を対象としております。家族相談のみをご希望の場合、まずは当診療部(病院代表 0776-61-3111)へ直接ご相談ください。
得意とする分野
次のような「子どものこころ」の問題について、それぞれのライフステージに応じた包括的な支援を行っています。
- 自閉スペクトラム症(ASD)
- 注意欠如・多動症(ADHD)
- 学習症(LD)
- チック・トゥレット症
- 不登校・ひきこもり
- 子どものうつ病、気分変調症
- 不安症、恐怖症、社交不安症、強迫症
- 小児心身症(過敏性腸症候群、慢性頭痛)
- 睡眠障害
- 心的外傷後ストレス障害(PTSD)、アタッチメント障害(RAD/DSED)
- 解離症、転換症
- 抜毛、吃音、緘黙、遺尿、遺糞など
高度医療
現在の診断・治療法の中で最適なものを提供するだけでなく、病態の解明および新しい診断・治療法の開発に力を入れ、「子どものこころの発達」支援に還元できるよう、精力的に取り組んでいます。
なお、現在行っている治験や臨床研究については医学研究支援センターにお問い合わせください。
症状・対象
当診療部では以下のような子どもの気になる行動や発達の問題を対象としています。
「落ち着きがない」「忘れっぽい」「指示がわからない」「対人関係が苦手」「集団行動がうまくとれない」「こだわりが強い」「ことばの発達の遅れ」「学習のつまずきや遅れ」「字が汚い、不器用、運動音痴」「発達障害ではないか」「チックがある」「学校へ行けない」「頭痛、腹痛、嘔気をよく訴える」「朝起きられない」「昼夜逆転している」「人ごみに出られない」「汚れや回数を極端に気にする」「気分が落ち込む」「イライラしている」「かんしゃくが激しい」など
主な検査と説明
一見、発達や「子どものこころ」の問題に見えても、身体の病気が原因で外から見ると同じような行動をとることがあります。身体疾患がないか最低限の検査を進めるとともに、子どもの特性を把握し、苦手な部分だけでなく得意なところ・長所を見つけるためにさまざまな認知に関する検査を行います。
- 発達・知能検査(WISC-V、WAIS-IV、新版K式発達検査等)
- 人格検査・認知機能検査(描画テスト、音読検査、K-ABC-II等)
- 発達障害に関する検査(PARS-TR、ADOS-2、Vineland-II等)
- トラウマに関する評価(UCLA PTSD RI、TSCC、IES-R等)
- パソコンを用いた持続処理課題(CPT)
- MRI など画像検査
- 脳波検査
- 血液検査
- 心電図
- 顔テレビを用いた視線計測
受診までの流れ
完全予約制です。当診療部の受診を希望される方は以下の流れをご参照ください。お子様の症状についての御相談はメールや電話等でお受けすることはできませんのでご了承ください。
STEP1 受診対象
当診療部は原則0〜18歳未満(具体的には高校3年生の夏休み前まで)の方を初診の対象としており、初診の際にはお子様自身が受診する必要があります。
神経性やせ症の方、興奮症状を伴い暴力を認める方、自殺の危険や自傷行為のある方については、当診療部では入院施設がなく、また夜間休日の対応が困難なため、受診対象外です。医療関係者の先生方におかれましては、現在の診療状況からも、これまで以上にご協力・ご承知置きください。
友田医師の初診は火曜日13時~14時です。中学1年生までが対象です。
STEP2 地域医療機関の受診
当診療部を受診するためには医療機関(お近くのかかりつけ医など)からの紹介状が必要です(心理士や学校の先生等からではなく、医師からの紹介が必要です)。受診した医療機関から福井大学医学部附属病院の地域医療連携室に紹介状をFAXで送っていただくようにお願い致します。
各医師により、対象とする年齢、専門分野、初診の待機状況が異なるため、紹介状の内容を確認した上で、適切な担当医をこちらで決めさせていただきます。必ずしもご希望の医師が担当にならない点をご了承ください。
STEP3 問診票、質問紙の記入
当診療部の初診の予約日時について、紹介元の医療機関からお知らせがあります。当診療部からご家庭に問診票、質問紙を郵送しますので、案内に従って、初診時までに記入をお願い致します。
STEP4 初診
初診の際はお子様と一緒にお越しください。この時、必ず保険証・母子手帳(中学3年生までは「子ども医療費受給者証」も)をお持ちいただくようお願い致します(他機関での心理検査結果等があれば、そちらもお持ちください)。
※お子様が一緒に受診できない場合は、家族相談料が必要(自費診療)です。この場合は1回のみの受診で、以降の定期的なフォローアップを行うことができませんので、ご了承ください。また、この場合もお子様(STEP1の受診対象参照)に関する相談を対象としております。家族相談のみをご希望の場合、まずは当診療部(病院代表 0776-61-3111)へ直接ご相談ください。
受診の流れと注意事項
STEP1:受診対象
- 0〜18歳(高3の夏休みまで)
- 初診時はお子様と一緒に受診
(摂食障害、激しい暴力、自殺企図は初診対象外)
STEP2:地域医療機関の受診
- 医師に当診療部あての紹介状を書いてもらう
- 受診した医療機関から福井大学病院の地域医療連携室へその紹介状をFAXで送ってもらう
STEP3:問診票、質問紙の記入
- 受診した医療機関からの初診予約日時のお知らせ
- 自宅に郵送された問診票・質問紙に記入
STEP4:初診
- お子様と一緒に受診
- 保険証・母子手帳を持参
よくあるご質問
1. 受診するにはどうしたらよいでしょうか?
「受診までの流れ」に詳細が記載されていますので、そちらを御覧ください。
2. 対象となる年齢は?
当診療部は原則0〜18歳未満(具体的には高校3年生の夏休み前まで)のお子様を初診の対象としています。
3. 県外からの受診でも可能でしょうか?
可能です。ただし、定期的な通院治療を必要とすることも多く、症状にもよりますが、月に1回程度は通院できる範囲が望ましいと考えられます。
4. 紹介状はどこの病院に書いてもらえばよいでしょうか?
これまで通院されていた医療機関があれば、経過がわかるため、そちらで書いていただくのが望ましいです。しかし、紹介状を書いていただくのが難しい場合や、これまで通院してきた医療機関がない場合には、お近くの医療機関(小児科や精神科等)を受診し、紹介状を書いていただくようにしてください。なお、心理士や学校の先生等からの紹介ではなく、医師からの紹介が必要です。
5. 本人(子ども)が受診できませんが、よいでしょうか?
原則として、初診時はご本人も受診していただく必要があります。どうしても受診ができず、ご家族のみで受診される場合は、家族相談料が必要(自費診療)です。この場合は1回のみの受診で、以降の定期的なフォローアップを行うことができませんので、ご了承ください。また、この場合もお子様(STEP1の受診対象参照)に関する相談を対象としております。家族相談のみをご希望の場合、まずは当診療部(病院代表 0776-61-3111)へ直接ご相談ください。
6. ◯◯の症状ですが、受診した方がよいでしょうか?定期的に通院しないといけませんか?
実際、診察をしてみないとお答えすることが難しい御質問です。定期的な通院が必要な場合もあれば、そうでない場合もあります。当診療部への受診・御相談を希望される場合は、「受診までの流れ」に沿って手順をすすめていただくようにお願い致します。
部長・スタッフ紹介
発達小児科学
発達障害
発達小児科学
客員教授 | 杉山 登志郎 | 児童青年精神医学 |
教授 | 松﨑 秀夫 | 児童青年精神医学、発達障害 |
教授 | 小坂 浩隆 | 児童青年精神医学、発達障害 |
准教授 | 森本 武志 | 児童青年精神医学 |
助教(神経科精神科) | 眞田 陸 | 児童青年精神医学 |
助教(神経科精神科) | 福元 進太郎 | 児童精神医学 |
助教(神経科精神科) | 今成 英司 | 児童精神医学 |
特命助教(小児科) | 小坂 拓也 | 発達小児科学、発達障害 |
特命助教 | 吉馴 亮子 | 発達小児科学 |
特命助教 | 倉田 佐和 | 発達小児科学 |
医員(神経科精神科) | 村島 萌子 | 児童青年精神医学 |
医員(神経科精神科) | 川妻 加奈 | 児童青年精神医学 |
非常勤医師 | 片山 智子 | 児童青年精神医学 |
心理士 | 濱谷 沙世 | 臨床心理学 |
心理士 | 堀内 愛佳 | 臨床心理学 |
心理士 | 藤枝 政矩 | 臨床心理学 |
心理士 | 藤岡 徹 | 臨床心理学 |
心理士 | 山本 和史 | 臨床心理学 |
心理士 | 久田 美紀 | 臨床心理学 |
心理士 | 高島 美智代 | 臨床心理学 |
心理士 | 鈴木 歌音 | 臨床心理学 |
心理士 | 河村 佳保里 | 臨床心理学 |
外来診察予定
完全予約制
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | |
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午前 |
眞田 陸 〔心理士〕 |
倉田 佐和 〔心理士〕 |
杉山 登志郎(月1回) 〔心理士〕
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森本 武志 〔心理士〕
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友田 明美 〔心理士〕 |
午後 |
小坂 浩隆 〔心理士〕 |
友田 明美 〔心理士〕 |
松﨑 秀夫 〔心理士〕 |
森本 武志 〔心理士〕 |
森本 武志 〔心理士〕 |
当診療部では、常勤の公認心理師/精神保健福祉士が勤務し、連携機関との調整や制度の利用について助言を行っております。
Webサイト
- 子どものこころの発達研究センター:https://rccmd.med.u-fukui.ac.jp/kodomo/