総合周産期母子医療センター

総合周産期母子医療センターは、生殖から不育症、周産期、新生児、未熟児までの一連の「生命継承」に関わる医療を、産科婦人科と小児科が協力し一貫して行っています。リスクの高い妊婦や集学的治療を要する新生児等に高度で専門的な医療を提供し、より安全で安心な周産期医療体制の構築に努めています。

MFICU部門

基本理念

周産期母子医療センターは「“生殖医療・周産期医療・発達医療”は、“新しい健康な生命を世に送り出すことで社会に幸せをもたらす医療”、即ち<命の継承>という生命体の基本の営みに対する医療である」ことを基本理念としています。この基本概念の中でMFICU部門は、高度の母体・胎児医療を担う部門として、人材育成と地域医療レベルの向上、さらには新たな医療の創造展開を図ることを目的としています。

診療の特徴

  1. 福井大学医学部総合周産期センターは、日本周産期・新生児医学会が認定する周産期専門医の基幹研修施設です。専門医資格を有する医師が妊娠・分娩管理を担当し、胎児異常の早期発見に努めています。生命継承の診療部門として、小児科のNICU部門と連携を密接にしています。診療成績は、全国でもトップクラスです。
  2. 福井県の周産期医療ネットワークの責任施設として、県内外の医療施設からの患者紹介を受け、高度管理を必要とするハイリスク妊娠の診療を担当しています。また、疾患の急性期を管理し危機を脱した後は、搬送元の病院にお帰りいただくシステム(バックトランスファー)の確立にも力を注いでいます。
  3. 奥越地域については、福井勝山総合病院との連携により、正常妊娠分娩の管理も行っています。住民の皆さまに、「利便性」と「高度医療」を同時に提供するユニークな医療連携として、全国的にも注目されています。
  4. 妊婦死亡の大きな原因である前置・癒着胎盤に対する安全な手術法(子宮底部横切開法)を開発し、国内外から高い評価を受けています。この手術法の全国への普及指導に務めています。

NICU部門

診療体制・治療方針

当診療部は、福井県の未熟児新生児医療の中心として、小さな赤ちゃんに優しい医療を提供していきます。小児科各分野の専門医師(免疫・感染症、循環器、神経、内分泌代謝、血液疾患、腎疾患)の協力のもと、年間100例以上のハイリスク児の診療を行っており、さらなる新生児医療レベルの向上を目指しています。また、日本周産期・新生児医学会から福井県の新生児専門医の基幹研修施設として認定されており、未来の新生児医療を担う若手医師の教育も行っています。

先端機器

肺に優しい呼吸管理を行うため、高頻度振動換気や経鼻式持続陽圧換気が可能な人工呼吸器を備えています。施設内に自動血球計測器、血液ガス分析器、超音波装置、呼吸機能測定器、気管支内視鏡を備え、迅速で細やかな検査をすることが可能です。また、頭部冷却装置や脳波モニターを備え、重症仮死の脳低温療法にも対応可能です。新生児遅延性肺高血圧症に対するNO吸入療法なども行っています。

診療の特色

  1. 小さな身体に負担をかけないよう、侵襲性の高い検査はなるべく最低限となるよう心がけています。看護スタッフや理学療法士が中心となって、胎内環境に近い適切な体位を工夫したり、外的ストレスから赤ちゃんを守るために音刺激や光刺激を減らす等、ディベロップメンタルケアにも力を入れています。
  2. 急性期を脱した大きな合併症のない赤ちゃんは、ご自宅が福井県嶺南地域など遠方の場合、地域の関連病院へ逆搬送(バックトランスファー)を行っています。
  3. 長期入院された赤ちゃんは、ご要望があれば、退院前に一般小児科病棟でお母さまとご一緒に過ごしていただく準備期間(母児同室)を設けています。
  4. フォローアップ専門外来で、退院された赤ちゃんの発育発達をご家族と一緒に見守っていきます。対象児には冬期のRSウイルス感染症に対する予防注射(シナジス)も行っています。また令和4年10月より乳児頭の形外来を行っています。

科長・スタッフ紹介

吉田 好雄
センター長・教授
吉田 好雄
専門領域
婦人科腫瘍

特命助教 金井 貴弘 生殖
特命助教 清水 達人 新生児

学会等認定制度による施設認定

学会等名 事項
日本周産期・新生児医学会 周産期専門医(新生児)基幹研修施設
日本周産期・新生児医学会 周産期専門医(母体・胎児)基幹研修施設

Webサイト

診療科・部門のご案内

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